米海兵隊所属シャーマン・ディオラマ作品
“南方戦線・黎明の反撃”

タミヤ1:35他 製作(1997)/ 橋本 輝憲



『橋本版 シン・レッドライン』
    
(紹介文:宮本 拓)

  某模型店で知り合って以来、長きに渡って親しくお付き合いさせていただいている橋本サンの作品を当サイトでご紹介できることを本当に嬉しく思います。
  もともとは航空機モデラーである橋本サンのカッチリとした仕上げの良さは、AFVを手がけてもその魅力を発揮します。最近ではディオラマにも果敢に挑戦!
  今回ご紹介するのは、南方戦線における海兵隊員と、彼らを援護するシャーマンの緊迫感溢れるディオラマです。


  ――写真を撮らせていただいて気づいたのですが、この作品、良い意味でディオラマの「セオリー」を破っているんです。一般的なディオラマでは、主役となる人物等は見えやすく、そして動作が解りやすいように配置されるわけですが、この作品ではどの角度から眺めても、戦闘態勢に入っている海兵隊員たちは「椰子や下草の間から“垣間見える”」配置になっていて、アイレベルで覗き込むと、必ず遮蔽物の向こうに人影が見え、自分も海兵たちと一緒にジャングルの中にいるような気分が味わえます。


  M4A3シャーマンはタミヤ。オードナンスのウッドアーマーや渡渉キットを使用して、海兵隊所属車特有のコンバットドレッシングに仕上げられています。塗装等は実車の写真等の資料をもとにアレンジ。本来はもうちょっと茶色が明るいそうですが、なかなかどうして、重量感がありますよネ。肉薄する日本兵を近づかせぬよう車体に溶接された無数のクギは、数百本の真鍮線を気長に刺して再現したそうです。静岡のホビーショーでも注目を集めたという椰子の木は、直径15ミリ程度の木の丸棒を旋盤でひいて椰子特有の表皮の“段々”を再現。ホンモノの木なので手でバキッと折ると、リアルな断面が再現出来たそうです。散らばる椰子の葉は古いバンダイ1:48のアクセサリーをレジン複製して使用……コンパクトな構成の中に、様々なアイデアが盛り込まれた作品です。


  オレンジの照明用フィルターを使って黎明の雰囲気を出して撮影しましたが、人間同士の戦いに関係なく、飽くことなく繰り返される椰子の葉音と波音が、遠くから聞こえてきそうです。