
『老舗の、心意気』
「ビッグパットン」ではない。「ビッグ・パット」である。90年代に入って、モノグラム創立50周年記念とやらで同社の古典キットが当時のパッケージのまま再販され始めた。このモデルもそのとき購入したもので、昔から模型誌等の情報で存在は知っていたものの、私にとってまさに「幻のキット」だったので、手に入れたときは嬉しかった。初版の発売は1957年前後と思われる。実際に作ってみると、タミヤの古いモーターライズ版パットンやニチモのデカイRCモデルは、このビッグ・パットをかなり参考にしていたことがわかる。何せデカールまで似ている。私はタミヤの信奉者だしモーターライズ・モデルは大好きだが、ビッグ・パットに関してはモノグラムをちょっとばかしヒイキしちゃう。完成品の精悍さは老舗の貫禄、老舗の心意気である。欠点は、走らないコトだけ。


このキットの発売当時、まだミリタリーモデルの統一スケールというものが確立されていなかったのか、スケール表示はどこにもなく「他のモノグラム・ミリタリーモデルと同サイズです」と表記するにとどめてある。ご承知の通りモノグラムのAFVはどれもおおむね1:32なのだが、このビッグ・パットは約1:35でまとめられている。現在では1981年に発売されたタミヤのM48A3が手軽に入手できるが、ビッグパットはM48A2を再現してあるので、コレクション・アイテムとしての魅力は曇らない。インストは欧米のガレージキットを思わせる写真構成でイイ味出してる。現在作るとすればかなりのディテールアップが可能だと思うけれども、私はキットの「味」を大切にしたかったので、ヘッドライトや可動式のガントラベリングロック、キャタピラ等のポイントのみタミヤのM48/60から流用した程度ですませた。打ち出しピンの跡等の影響で変形している砲身すら、キットのパーツを成形して使っている。サスペンションアームが現代のキットのように別パーツになっているのはディオラマ対応の進んだ考えからではなく、当時はスライド金型等の技術が無かったためだと思うのだが、こちらとしては願ったりかなったりでアーム基部に穴を開けて車体に真鍮線を通し、サス可動に改造した。仕上げの隠し味に、タルク入りパテを塗布して鋳造表現を少々。乗っている戦車兵もキットのもの。他にもトミーガンを構えたGIなんかがオマケに入っているが、流石にそちらは時代を感じさせる出来具合。


完成してみると、やや腰高の印象があったタミヤのA3と比べてワイド・トレッドというか、どっしり落ち着いた面構えがイイ。やっぱ、戦車らしい戦車ってM41ウォーカーブルドッグとパットンだよなぁなんて、レトロ感覚に酔いしれるボクでした。

