
『SF・戦争映画の名バイプレイヤー』
大戦中に使用された米軍戦車のほとんどは、戦前から設計されていた車体等のコンポーネンツを煮詰めて開発されたものだが、M24はアメリカが参戦後に初めて新規設計した戦車である。コンパクトな車体にB25爆撃機搭載用の75ミリ砲を搭載、ほとんど戦後を見越した設計と言える、第二次大戦最良の偵察用軽戦車となった。

『ゴジラ』『ラドン』『地球の静止する日』『レマーゲン鉄橋』『バルジ大作戦』――数えあげたらキリがない。戦後のSF・戦争映画 には欠かせない名脇役で、グレイに塗ったパットン戦車と格闘したり、ライン川沿いの道を爆走したり、お買い物なら新天街の看板倒したりの大活躍。『パリは燃えているか』のパンター等の仮装車両も含めれば数え切れぬほどの作品に出演している。現在では東欧製の車両にその座を譲った感があるが、頑丈で扱いやすく、数も揃う米軍車両は映画スタッフにとっては便利な劇用車だったことだろう。
M24チャフィーのキットは、昔の日本ホビーを除けば1:50以下のミニスケールばかりで、中でもマッチボックス1:76の可愛らしいデザインが記憶に残っているが、スタンダードな1:35は80年代後期にイタレリが発売するまで皆無だった。当時は発売が待ち遠しかったものだ。イタレリのキットは、現在の目で見ればキャタピラがラバーシェブロンだったり車体前面下部のファイナルドライブの形状からして戦後に使用されたタイプを再現しており、また細部の表現がやや曖昧だったりするものの、シルエットの掴みかた等は巧みで、1:35唯一のキットだし、現在ではキャタピラをはじめ様々なディテールアップパーツが発売されているので好みのイデタチに仕上げることも出来るだろう。 私のモデルはキット発売当初、乏しい資料とにらめっこしつつもほぼストレイトに組み上げたもの。足回りが繊細で、固い材質のキャタピラをはめ込むときにあちこちボキッといくんじゃないかとヒヤヒヤしたけれど、キャタピラを湯に浸して柔らかくしてから作業したらなんとかなった。車体後部等にアクセサリーを配したが、当時は今のようにレジン製の各種アクセサリーが手に入らなかったので、各社のプラキット付属のものを組み合わせた、今見ると何となく懐かしいレイアウトになっている。このキット、陸上自衛隊のデカールも入っていたのだが、確か初期ロットのものは流石ヨーロッパの製品、日の丸が「赤地に白丸」のアベコベのやつと、修正したごめんなさいデカールがポイッと入っていた記憶があるのだが、最近再販されるヤツはどうなってるんだろう……。


※ 写真の小道具に使用した小冊子は、TEPが1986年に発行した会報「PROPAGANDA」です。『レマゲン鉄橋』がビデオ・リリースされた時期で、特集記事を掲載していたので引っ張り出してきました(^^;)
