陸上自衛隊4式戦闘偵察車
1:25自作モデル
オリジナルムービー『ヴィジュアル・バンディッツ』で使用
製作:宮本 拓



  VAP製作のオリジナルムービー『ヴィジュアル・バンディッツ』第1話「時の墓標」で使用。

  巨大生物の出現によってパニックに陥った群馬の村落に陸自が派遣した緊急展開部隊の打撃戦力の“要”。本来は海外派遣の際、輸送部隊のコンボイの護衛または避難キャンプの守備等、多用途に使用出来る軽便な戦闘車両という設定。
  イメージは大型化したイギリスの偵察戦車という感じ。

  実はコレには裏話があって、作品の制作年度は前後してしまうが、この車両の後継車両が『砂丘の残像』の8輪装甲車ということに(宮本自衛隊内では)なっている。作品はこっちが後なので、型式名は若くなっているのだけど。

  ―― 劇中、陸自の作戦は「生物捕獲」と「生物掃討」の2段階に分けて描かれており、「生物捕獲」に使用する装甲作業車をやや柔らかい印象のデザインとしたので、「生物掃討」に使用する戦闘偵察車はいかにも攻撃的というか、記号としてわかりやすい敵意ムキダシの何だか「痛そう」なデザインとした。撮影現場では「極悪太郎」と呼ばれていた。
  ミニチュアのベースとなったのはバンダイ(旧イマイ)1:24・M60A1で、足回りのみ使用して上部はプラ板と木材で自作した。


  主砲は「駐退復座」が表現出来るように工夫されており、これはウチの特殊効果担当の高山君の発案によるギミックで、真鍮製のパイプを使った砲身とスプリング、金属製の台座の組み合わせによって、火薬(劇用の拳銃弾…実際には拳銃の発砲シーンに多用されるもの)を仕込んで、実際に火薬のガス圧でブローバックするというもの。
  撮影してみると、発砲と同時に砲身が2センチほど後退し、4倍のハイスピード撮影によって効果が倍増した。唯一の難点は、あまりに発砲音が大きく、撮影のためミニチュアに接近しているキャメラマンの鼓膜に異常をきたしてしまうことと、夜間の撮影は近所迷惑なので出来ないこと。この砲身を収めた砲塔は、火薬のショックで破砕する可能性があったため、まずは発砲ギミックの周囲を木材ブロックとエポキシ系接着剤でガチガチに固めた上から厚手のプラ板を幾重にも貼り、その上からディテーリングを施したが、NGカットをストップモーションで見ると、砲撃のショックで上面の対空機銃とハッチがものの見事にすっ飛んでいるのが確認できる。
  しかし、実際に火薬を使用した発砲の再現には他の方法ではなかなか得られないリアリティーがあり、監督以下スタッフ一同狂喜した。
  マズルフラッシュ(発光)はCG合成などの後処理をしなくても火薬の閃光だけで充分な迫力があったし、発砲と同時にそのショックでサスペンションが利き、車体が後方に傾くという実車同様の挙動を見せた。また車体の前方にフライアッシュ(ホコリを再現する粉末)をまいておくと、発砲と同時に土煙が直線状に立ち上り、戦車の砲撃特有の“量感”も再現できた。


  写真 Copyright VAP