
今年は、何だか女性運が悪いような気がしておりました。ときどき、そんな年があり、おおかたアタリます。それは私自身に降りかかる災難といったものだけではなく、街で見かける風景の中にも、潜んでいたりするワケです。
私は女性に向かって「もっとおしとやかに」とか、あまりそういうことを言う性分ではありません。
天真爛漫、自由で元気がよきゃそれでイイじゃないかなどと思ってしまうのですが……。
しかし、時折「独り身の女性」の強さを何かの拍子に垣間見て、少しばかり考えてしまうこともあります。
先だっての退屈な日曜日、一人で大戸屋にメシを食いに行くと混んでいて、年の頃23〜4歳の女性と相席となりました。ちょっと勝ち気そうだが、雰囲気は“優香”に似ている、可愛らしいヒトで、ららららっきい♪ こーゆーコ、いいな。
しばし、お互い無言のアバンチュール(考えすぎ)。素敵な女性を視界に捉えつつ食事をとるというのも、ヒドク退屈な日曜のささやかな楽しみだと思っておりました。
と、そのヒトの前に中華丼らしきものが運ばれてきたと思いきや、彼女はオモムロにサジを手にすると、ガシガシ食い始めた。ガシガシ。よほど空腹と見ゆる。
15分ほどで食い終わると(ちゃんと噛めよ)今度はオモムロにバッグからティッシュを取り出した。これは口紅を直すのかな、と。女性がベニを直す仕草というのはなかなか趣深いモノがありますので、チラリと見ておりました。と、
「べぷしーっ。ぶしっぶしっ」
ハナを、かんだ。ハナを。かたっぽづつ。
と思えば、煙草を取り出し、100円ライターでシュバムと火をつけたと見るや、
「すーっ、すっ。ばふぅおぉぅ」
ハナから、そうさね、8インチほどの長さでライン状のスモークを放ち、遠い目。
――三口ばかり吸った彼女は、ささっとインテリ風の眼鏡を装着すると、コートを持って席から立ち去ってしまいました。
人生の重みを、考えますね。人生を。
(文責:宮本 拓 200102)